複数クラス合同プール指導、どうやってうまくいかせる?全員が「混乱しない」ための動線ルール&安全管理


概要

プール指導の季節がやってきました。


多くの学校では、
安全上、複数クラス(基本は2クラス合同)で同時にプール指導を行うと思います。

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そうなると、
「毎回、クラスの組み合わせが変わる」
「児童が混乱する」
「安全管理が大変」

といった課題が生まれます。


本記事では、
複数クラス合同でも、
「全児童が混乱しない」ための統一ルール
と、

「習熟度別指導」を安全かつ効果的に行うための工夫とポイントをご紹介します。

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記事の目次




複数クラス合同プール指導の課題

複数クラスで同時にプール指導をする時、
毎回クラスの組み合わせが変わるんですよね。


そうなると、
児童たちは「今日はどこに行ったらいいんだろう?」
「次は何をするんだろう?」

という戸惑いが生まれてしまいます。

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さらに安全管理の観点からしても、
「ルールが曖昧」だと、
思わぬ事故に繋がる可能性
があります。


だからこそ必要なのが、
「学年全体で統一されたルール」
なんです。

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授業開始時の流れ・動線ルール(全クラス共通)

複数クラスが混在しても、
全児童が「迷わない」「混乱しない」ようにするためには、

「授業開始時の動線」を徹底的に統一することが大切です。


以下がその流れです。



① プールサイドへの移動

プールに着いたら、
所定の場所にタオルをかけます。


ここで大事なポイントが、
「移動は必ず反時計回り」というルールです。


どのクラスも同じ方向で動くことで、
児童同士の「ぶつかり」や「混乱」を防ぐことができます。


※ただし、学校の入り口とシャワーの位置によって、この回り方は調整が必要です。
ご自身の学校のプール配置に合わせてカスタマイズしてくださいね。



② シャワーの浴び方

シャワーの浴び方も、
「効率化」と「安全」の両立を意識しています。


具体的には…

5口あるシャワーをすべて出し、
児童を走らせずゆっくりと
「ベルトコンベア」のように
並んで通させます。



つまり、
「シャワーに着いたら、止まらず、ゆっくり歩きながら通る」
という感じですね。


こうすることで、
全員が「しっかりと水を浴びた状態」で、
かつ「スムーズに」プールサイドに向かえる
んです。


※こちらも、シャワーの構造に応じて、流れ方は工夫してください。



③ 入水直後の「慣らし」

プールに初めて入った時が、
一番「水の冷たさ」や「怖さ」がある瞬間です。


だからこそ、
いきなり「泳ぎましょう」ではなく、
水に体を慣れさせることが大切
です。


具体的には…

① まず1回プールに入らせます
② その後、プールサイドから反対方向へ歩いて往復させます
③ その次に「洗濯機(プール内をぐるぐる回る動き)」をさせたり、だるま浮きをさせたりして、水に体を慣れさせます


この「慣らしのステップ」はすごく重要だと考えています。



習熟度別のグループ分けと指導詳細

プール指導で大切なのが、
「全員が同じペースで学ぶ」ではなく、
「個々の泳力に合わせた指導」
をすることです。


そこで活躍するのが、
「習熟度別グループ分け」です。

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全5コースを使用し、
児童の泳力に合わせて「初級」「中級」「上級」の3グループに分けて指導します。



【安全管理上の教員配置ルール】

2人の教員が同時にプール内に入ってしまうと、
全体が見えなくなり危険です。

だからこそ必ず:
「1人はプールサイド(上)から全体を監視・指示」
「もう1人がプール内に入って指導」

という役割分担を徹底しています。



では、各グループの指導詳細を紹介します。



【上級グループ】

対象: 25Mを泳げる児童、またはほぼ泳げそうな児童

コース配置: 2~3コースを使用し、一定の方向(周回)でひたすら泳がせます



指導方法:バディ制の徹底

上級では、教員はつきっきりにはなりません。

代わりに、
児童の「バディ」に安全管理と練習の補助を任せます。


具体的には…

① ペア(A・B)で先行・後攻を決めます

② 泳いでいる子のバディはプールサイドを並走して安全を確認します

③ 見ている側の児童が暇にならないよう、相方が「クロールで何回腕を掻いたか」とか「何秒で25mにたどり着くか」を数えさせます

④ 泳ぎ終わったら掻いた回数や秒数を教え合い、交代します

⑤ 「さっきよりも次は…」と目標を持てるようにして、ひたすら泳ぎ込ませます

ポイントは、
「安全を見ててね!」という漠然とした指示ではなく、
「〇〇を数えてね」という具体的な役割を与えること
です。


そうすると、子どもたちは
しっかりとその仕事をやり遂げようとします。
その結果、しっかりバディの子を見ててくれます。



【中級グループ】

対象: 初級を脱し、息継ぎの練習や25M完泳を目指す児童

コース配置: 上級の残りのコース(2~3コース)の12.5m分を使って指導



指導方法:段階的に「息継ぎ」から「クロール」へ

① 教員がプール内(または近く)に入って指導します

② 最初はビート板を使って「息継ぎの練習」をさせます

③ プールの中央(半分)まで安定して息継ぎができるようになったら、ビート板を外して自力でのクロールに挑戦させます


ここで大切なコツが…

「頭(スイミングキャップ)が完全に水から浮いてしまうと、体が沈んでしまう」ということです。


だから、
「キャップが水についた状態のまま、横を向いて呼吸できる」という指導が重要なんです。


④ ビート板なしで半分以上こなせるようになり、25Mを目指せるレベルになったら上級へ引き上げます



【初級グループ】

対象: 顔を水につけられない、または浮くことができない、泳ぐことができない児童

コース配置: 中級が使っている同じコースの反対側から12.5m分を使用



指導方法:「顔をつける」から「けのび」へ、段階的に

初級は、
児童のレベル(超初級~初級)に合わせた指導が必須です。


具体的には…

① まずは顔をつける練習を徹底します

② 次に「だるま浮き」の練習をさせます。5秒浮けたらオッケー!

③ 浮けるようになったら、「息継ぎなしでの『けのび』の練習」

④ けのびができるようになったら、「バタ足」をさせ、思い切り進む練習をさせます

⑤ 息継ぎなしの状態で10M程度まで進めるようになったら、中級へ引き上げます

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安全管理・児童への意識づけ

プール指導での「安全」は、最優先事項です。


過去に他校などで起きた水泳事故(死亡事故など)の事例を念頭に置き、
教員間で高い緊張感を持って、安全管理を徹底する必要があります。



ペア(バディ)決めの注意徹底

バディ制を導入する時、
「どうペアを決めるか」がめちゃくちゃ大切です。


具体的には…

■ 仲良しの児童同士でペアを組ませない



「授業」=「学びの場」や「出会いの場」という意識づけ

バディ決めと同時に大切なのが、

児童たちに「授業はいろいろな人と交流する場である」
「おしゃべりをする場ではない」という意識を徹底させること
です。


これは、
プール指導に限った話ではなく、
普段の体育の移動時などからも、
学年全体で徹底していくもの
です。


「集団で活動する時」と「おしゃべりする時」の
「メリハリ」を、児童たちが自然と持つようになることが理想ですね。



「やりっぱなし」ではなく、「全員で一体感」を

複数クラス合同でプール指導をする時、

多くの先生は
「クラスごとに指導して、終わり」

になってしまいがちです。


でも、
実はそこが大事な場面なんです。


「全員で同じルール」
「全員で同じ流れ」
「全員で同じ目標を目指す」


という経験を通じて、
児童たちは

「複数クラスの中でも、『一つの学年』として動く」という感覚

を身につけていきます。


その結果が、
「学年全体の一体感」
「集団としてのまとまり」


に繋がっていくんだと思います。


プール指導は、単なる「泳力向上」の場ではなく、

「集団の中での協力」
「ルールを守ることの大切さ」
「互いにサポートし合う力」


を育む、絶好の場面だと思っています。