最近では、調べ学習の手段として**Google検索などを子どもたちにも許可しているクラス**が増えてきていますよね。
私のクラスでも、まずは「確かな情報源」(教科書や資料集)で調べてから、それでも分からない部分についてはネットで検索することを許可しています。
色々な授業を見ていく中でも、「このタイミングはネット検索をしてもいいよ!」とか「このタイミングでは使わないでね!」みたいに、ネット検索をしても良いタイミングのルールはどのクラスもあるのですが、「ネット検索の仕方」についてのルールを設定していないクラスが多いように思います。
今回は、その「ネット検索の仕方のルール」について提案したくて、記事にしました。
とは言っても私自身、「ネット検索の仕方」について細かいルールは設けている訳ではありません。
ただ、たった一つだけ、みんなに守ってもらっているルールがあります。
それは、**「なぜ~?」を検索しないこと。**
💡 なぜ「なぜ~?」で検索してはいけないのか?
例えば、 5年生の環境の単元。
<なぜ鴨川はあれだけ汚かったのに、今はこんなに綺麗になったのか?>
という課題について考える時間の場合、「なぜ鴨川は綺麗になったの?」と検索するのは禁止しています。
理由は、単に「答えがすぐに出てしまうから」ではありません。
「なぜ~?」という検索をすると、**世の中の「誰かの一意見」が表示されるだけだから**です。
私のクラスでは、子どもたちにこう伝えています。
「ネットで『なぜ~?』を検索するのは、街中の知らない人に『なぜ~?』と聞くのと同じこと。確かに、その人の意見が正しい場合もあります。でも、本当に正しいのか? その意見だけが正解なのか? それは分かりませんよね。だからこそ、ネットで調べ学習をするときには、「事実」を検索し、「なぜ?」の部分は掴んだ「事実」から自分たちで考えることが大切なんです。だから、「なぜ~?」で検索をするのはやめよう!」**
と指導しています。
こんな風に、ルールをただ設定するのではなく、なぜそのルールを先生が作ったのかという背景を納得できる形で提示することで、子どもたちも「ルールだからやめる」ではなくて、自分たちの意思でやめることができるようになります。
📚 「なぜ~?」ではなく、事実を調べる!
では、どのように事実を検索すればいいのか?
例えば、先ほどの鴨川の例なら、
✅ **「鴨川を綺麗にするための条例はできたのか?」**
✅ **「京都の人々は川を綺麗にするために何をしたのか?」**
といったことを検索をすることで、確かな**「事実」**を掴むことができます。
そのために、子供達には「自分たちの予想が正しいのか正しくないのかを確かめるためには何がわかれば良いのか」という視点で考えさせ、それを検索させることで「事実を掴むための検索スキル」を身に付けさせています。
**「なぜ?」は、自分の頭で考えるもの。そのための材料として「事実」を検索する。**
この視点を持つだけで、ネット検索の活用が**「答えを探す作業」から「思考を深める学び」へ**と変わります。
📢 来年度、社会科でGoogle検索を活用するなら…**
もし、来年度から社会科でGoogle検索を許可するなら、
「なぜ~?を検索しないルール」を、その理由とともに子どもたちと共有してみてはいかがでしょうか?
「情報をただ受け取るのではなく、自分で考える力を育む」
そんなネットの使い方ができるようになると、調べ学習の質がグッと変わるはずです。
#社会科の授業 #調べ学習 #Google検索のルール #なぜを検索しない #情報リテラシー #主体的な学び
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