※今年度は次の単元「これからの工業生産とわたしたち」との2つの単元を合わせて”1つの単元”として単元を構成することにしてあります。今回はその前半「工業生産を支える輸送と貿易」の単元の部分を紹介します。



1.

・「日本の食料生産」については、「米作り」「水産業」「全ての食料の自給率」について学習してハッキリさせてきた。

・「日本の工業生産」については、工業の分布や割合や、大工場の代表の自動車産業の学習をしてきた。これだけで、『日本の工業』がハッキリしたと言って良いのかな?

<「日本の工業」の様子をつかむためには、あとどんなことを学ぶ必要があるかな?>

・これまでの学習(工業地帯の単元や自動車の単元の学習)を元にグループで

「何がハッキリしていて」「何がハッキリしていないのか」ということをこれまでのノートを基に考えよう。

⇒オクプラのマイボードに「ここをもう少し詳しく知りたい/実はまだハッキリしていない」ということをカードにまとめる(5分)

・グループ毎のタブ(みんなのボード)を作って、グループ毎に仲間分け

 

・オクプラの提出Boxで共有

・分類整理(ノートに書き出す)

・交流

  輸送(← 太平洋側で工業地帯が発達している学習から)

  貿易(← 太平洋側で工業地帯が発達している学習から)

  中小工場(← 大工場は学習しているけど、約98%が中小工場だという学習から)

 

・これから学習していく3つの視点と、これまで学習してきたことを生かして、これから≪日本の工業はどんな工業と言えば良いかな?≫ということについて、考えていこう!

※この学習問題の回収は、「これからの工業生産とわたしたち」の単元の最後にやります。

 

 

2.スライド1(小さい)うまくダウンロードができない場合はコチラをご覧ください。

輸送

・まずは「輸送」のことを学習していく。

・荷物を運ぶ手段ってどんなものがある?

  トラック・船・飛行機・貨物列車・・・

 スライド1

・国内での輸送と貿易の輸送の重量比のグラフを提示

●この資料からどんなことがわかる?

  ・国内は自動車(トラック)輸送がメイン

  ・海外とは船がメイン

  ・どちらも飛行機はショボイ ← 次のステップのための布石

 

・今回は海外との輸送(貿易)を中心に見ていくことを紹介

・海外との貿易額(金額)ランキングを3位~1位を紹介

(3位、2位のときに金額の差にも注目させるといいよ!)

  ⇒え!?なんでショボかった飛行機の空港が1位なの?

   2位と3位の違いは1兆円程度なのに、1位は28兆円で、2位と10兆円も差が!

     ⇒ なんなら、5位も空港なんだよ!

 

<なぜ0.4%しか使っていない航空輸送の金額がこんなにも高いのかな?>

・予想をオクリンクプラスの提出ボックスで提出 → 「調べる視点」の共有

  飛行機ではめっちゃ小さいけど高いものを運んでいるんじゃない?

  船では逆に、大きいけど安いものが運ばれているんじゃない?

  もしかしたら、1位と5位は飛行機だけど、総合計なら船の方が高いんじゃない?

       → ①運んでいる物(大きさ/価値 など) ②便数 ③総合計 など

・検証(教科書・資料集で十分です。)

  飛行機で運ばれているもの [総額101589億円(輸出)+127436億円]

   半導体、レンズ、フィルム など    ※2021年東京税関調べ

  船で運ばれているもの [総額58200億円(輸出)+4459億円]

   自動車、原動機、プラスチック、原油、非鉄金属、有機化合物 など   ※2021横浜税関調べ

    ※決して船で運んでいるものすべてが“安いもの”というわけではない(自動車など)

      でも、総じて重いものだな。

     ※実際、総合計しても航空輸送の方が高いんだな。

 

結局、日本の輸送には、どんな特徴があるといえばいい?

(まとめ)軽いけど高い物が飛行機でよく運ばれていて、重いものは船で運んでいる。

 

・次の時間は、輸入しているものと輸出しているもの(貿易)をもっと細かく見ていこう!

 

 

3.スライド1(小さい)うまくダウンロードができない場合はコチラをご覧ください。

貿易

[輸入量と国内生産量の割合の変化][輸出される割合の変化]を配布

スライド5

・グラフから読み取れる事実は?(ここには時間をかけず、さくさく聞き出して事実認識を深める)

  輸入                                                                   輸出

   1962年の2兆円から今は118兆円        1960年の1.5兆円から98.2兆円

      ⇒輸出の方が多くなった時期もあるが、今は輸入の方が多い

   原油などの燃料が多い                              機械類が多い

   同立1位が機械類                                       自動車だけで13%

<機械を輸入して機械を輸出している日本はどんな貿易をしているのかな?>

・オクプラの提出Boxで予想を共有⇒ノートに「調べる視点」を整理させる

調べる視点を全体交流

  価格の違い ・・・安い機械を輸入して、高い機械を輸出しているのでは?

  完成品と部品の違い ・・・パーツを輸入して、日本で組み立ててるのでは?

・グループ毎に調べ考える(教科書・資料集・追加資料 ※このときに「パーツ」は電子機器と表記されていることを紹介

 事実をつかんだら考えること:課題との繋がり(日本はどんな貿易をしていると言える?)

  日本は高い製品(車など)を輸出して、安くて品質の良い工業製品を輸入している(教科書)

(追加資料:「グラフで調べる日本の産業⑦貿易・運輸」p.15

  電子機器(集積回路などの工業製品のパーツ)を輸出も輸入もしている どういうこと?(資料集)

   ⇒日本から部品や素材をアジアに送って、賃金の安い現地で組み立てて、さらにアメリカに輸出や日本に輸出されるサプライチェーンを作っている(追加資料:「日本の産業⑥貿易・運輸p.8

 

結局、日本の貿易はどんな貿易と言えばいいのだろう?(まとめ)

・石油などの原料はもちろんだが、機械類を作るためのパーツ(材料)を輸入して、加工して輸出してるんだな。=「加工貿易」ということをおさえる

・工業製品をより安く作る工夫として、「サプライチェーン」を作っている。

※サプライチェーンという用語はおさえなくて大丈夫です。

 

・ちなみに…石川県から世界に輸出している「機械類」があるんだよ!

  ⇒ コマツの建設機械。

スライド9
スライド10


      世界第2位の売り上げ。 

日本国内では油圧ショベルはシェア28%、ブルドーザー60%のダントツ1位

 ※次の単元へのつなぎのための事実認識です。

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2023年度ver. ※昨年度、5年生を担任したときの実践です。
   




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