そろそろ「着衣水泳」の時期ですね!みなさんの学校はどうですか?
私自身、これだけ「水の事故」が報道されていることもあり、
着衣水泳は重要だと考えています。
でも、意外とこの「着衣水泳」、何をしていいのか、
もしくは「これでいいのか!?」なんて思いながら指導している先生も多いように気がします。
よくあるオーソドックスな例は、
①服を着たまま泳がせ、「泳ぎにくい」ということを実感させる
※平泳ぎが良いよ!というアドバイスなども入れる
②だから、基本的には落水したら『浮いて待つ』ことが大切なんだよ!と指導。
③教師が落水して、もう一人の教師がペットボトルなどの浮力体を投げ入れて、浮いて見せる。
そして、それを子どもたちにもさせてみる。
④服を脱いでみて、「泳ぎやすい♪」と実感させる
というパターンなのではないでしょうか。
実際、私も昔はこのようにしていました。
でも、これって、
「着衣水泳」=「落水したときの命を守る行動の学習」になっているのか?
「着衣水泳」=「着衣で水泳する大変さの学習」になっていないか?
って思っちゃってたりしていました。
「着衣水泳」で本当に子どもたちが身に着けるべきスキルは何なのでしょうか?
それは、私は「落水したときに、適切な判断をして、命を守るための最適な行動を起こすスキル」だと考えています。
そのためには、いろいろなパターン学習をしていく必要があると思います。
そこで、これから
45分という短い時間で、かつ、
以上のようなスキルを身に着けるためのパッケージを提案させていただこうと思います。
指導の実際
準備
服装(着替えは朝休み)
水着+濡れても良い服(長袖・長ズボン・靴下)+スイミングキャップ
プールに持って行くもの
・ぬれても良い靴
・ビニール袋2枚
・バスタオル
・ペットボトル(2L)
※1つのビニール袋にバスタオルともう1つのビニール袋、ペットボトルを入れて、プールの端っこに置く。
集合場所
内容
1.先生からの話(T1)
2.自分が落水した場合の訓練
「水に落ちたら、まずは冷静になって、足が着くかどうかを確かめること」
●足が着くパターンの練習
上がれそうな場所がある場合
⇒歩く(足下が滑らないように、急がず確実に歩く)
① 歩行練習(内側:青)※1往復
② 歩行練習(外側:黄)※1往復
上がれそうな場所がない場合
⇒待機
●足が着かないパターンの練習
自分の泳げる範囲に上がれそうな場所や浮力体がある場合
⇒泳ぐ(できるだけ顔を上げたまま泳ぐ。クロール・平泳ぎ)
① 泳ぐ練習(内側)※往路:クロール 復路:平泳ぎ
② 泳ぐ練習(外側)※往路:クロール 復路:平泳ぎ
⇒平泳ぎの方が楽だということを認識させる
自分の泳げる範囲にない場合
浮いて待つ ※ポイント
背浮きであごを引いて足の親指を見る
服に空気を入れる
デモンストレーション(T2)
① 浮く練習(内側)※1分間浮き身
② 浮く練習(外側)※1分間浮き身
3.落水者を発見した場合の訓練
「泳いで救助は最終手段。基本は泳がず助ける!」
泳がずに救助する手段紹介
①大声を上げる(大人に気づいてもらう)
②自分の体を使う
③浮力体を使う
・浮く練習(内側)、ペットボトルを投入(外側)※1分間
・浮く練習(外側)、ペットボトルを投入(内側)※1分間
④周りに人数が集まってきた場合 ⇒ ヒューマンチェーン
中央に居る先生(T2)までヒューマンチェーンを伸ばす
・ヒューマンチェーン練習(内側)
・ヒューマンチェーン練習(外側)
4.ペアで着衣片付け
・着ていた服を絞って1つのビニール袋に
・靴をもう1つの袋に
※服は2人で服の両端をもって絞れば楽だよ♪
5.着衣無しで入水(自由時間)※時間が余ったら
6.先生からの話(T1)
終了後
・履いていた靴は袋に入れたまま下駄箱に
・服が入っている袋は教室まで
終わりに
これが「完璧な」着衣水泳というわけではありません。
色々、実践していく中で、まだまだ改良していく必要があると考えています。
ただ、この記事を見てくださった先生方にとって
「着衣水泳」について改めて考えるキッカケになって、
一人でも多くの命が守られるような世の中になったらいいなと考えています。
また、こんな「着衣水泳」すればいいよ!というアイデアだったり、
実際、私の実践をされてから、「これ、アカンかったよ!」というアドバイスなどがあれば、
またおしえていただけると嬉しいです。
また、これからもよろしくお願いします。
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