1.
●普通の町とはちょっとちがった特徴がある町の写真を見せます。どんな特徴があるのかな。
・[海津市の様子]、[海津市 空中写真]を提示・配布
<海津市にはどんな特徴があるのだろう?>
・読み取る
⇒ オクリンクの提出ボックスで共有
⇒ 共通点(グルーピング)・疑問点をノートにピックアップ
(オクリンク活用の詳細はコチラの記事をご覧ください⇒「"発表しない"授業」にすると、苦手な子は意地でも考え、得意な子はずっと考え続けられる授業になる!(「オクリンク」の新たな活用法))
・交流する(グルーピング⇒疑問点の順で交流するとスムーズです)
川に囲まれている
堤防に囲まれている 輪中
町の高さが川よりも低いところにあるように見える
↓ ・検証する
[3つの川が集まる地域の土地の高さ]を配布し、色ぬりさせる。
※このときに、「等高線」も教える。
また、「海抜0m」がどういう意味なのかということは理解させる。
(海抜0m=海面の高さ ※満潮時と干潮時の平均)
・まとめ:「輪中」「海抜」「堤防」を使って海津市の特徴をまとめられる。
※3時間目の考える場面で活かすための既習になります。
2.
・復習
海津市は堤防に囲まれた輪中で、海抜0m以下の町だ。
<海抜0m以下の町と海抜0m以上の町のどちらに住みたいかな?>[討論形式]
・オクリンクで「海抜0m以下の町(青カード)」「海抜0m以上の町(赤カード)」で共有
※理由は書かせず、制限時間30秒程度でカードだけ提出させて下さい。提出したらPCを閉じさせる
⇒ 教師用端末をモニターにキャストして、情勢を確認
・相手を説得できるような理由を考える
・討論
以下派
水がたくさんありそうじゃん!
以上派
堤防が決壊したら水害にあう など
(様子を見て[水害時の様子]や[水害時の様子2]を提示)
・再投票
オクリンクで「海抜0m以下の町(青カード)」「海抜0m以上の町(赤カード)」で共有
※提出ボックス2に切り替えておくと、前のと比較しやすいと思います。
⇒ 教師用端末をモニターにキャストして、情勢を確認
どのように人数が変化したかを確かめる。
海抜0m以下が減った場合
●なぜ海抜0m以下の人が減ったんだろう?(意見を変えた人に理由を話させる)
※重要なポイントのピックアップ
やっぱり水が流れてきたりしたら大変だと思ったから。
「水害」:水によりもたらされる 個人的・社会的被害の総称
(逆に言えば、被害を受けないと水害ではない)
↑3時間目(減災)への布石
●危険に思える海津市にわざわざ住んでいる人は、「水害に遭っても良い」と思っていると思う?
絶対違う。何か水害に遭わないための工夫をしているはずだ。
≪海津市の人々はどのように工夫しながら生活しているんだろう?≫
・まとめ:現時点での自分の判断を理由と共にまとめさせる。
海抜0m以下が人気になった場合
●なぜ海抜0m以下の町が人気になったの?(意見を変えた人に理由を話させる)
良いことがありそうだから。
●危険なことがあるのも事実。海津市の人々は水害など気にしていないんだろうか?
違う。何か工夫して防いでいるはずだ。
≪海津市の人々はどのように工夫しながら生活しているんだろう?≫
・まとめ:現時点での自分の判断を理由と共にまとめさせる。
↑4時間目の最後のための布石
・復習
海津市のような海抜0m以下の町に住むのは、水害のリスクがある。
●「水害」ってどんなことだった?(「川が氾濫しても、被害を受けなければ水害にはならない」を確認)
・[水害の様子2]を提示する。
・[大きな水害の発生件数の移り変わり]を1701~1750から順に提示
※このときに、意識することは以下の2点
・水害件数を確認しながら進める。
・次のグラフを出す前にどれぐらいか軽く予想させながらオープンしていく。
このことで、1851~1900ごろには大体60回前後だという推測ができるようになり、1901~1950でだいぶ減ったときに驚きが生まれやすくなります。
・1851~1900の50年間で水害の発生件数が約70回に及ぶことを確かめたときに、比較対象として金沢市の水害数を紹介する。
(金沢市は同期間で1874(明治7年7月7日)の手取川犀川洪水、1897(明治29年8月2日)手取川梯川洪水の2回のみ)
※この比較対象を示すことで、いかに海津市の水害が多いのかということがわかると思います。
(・1901~1950を出したときに驚いた様子があれば、●どうした!?と聞いてあげると課題ができます。)
<海津市の人々はどのようにして水害を減らしたのかな?>
・予想(輪中・海抜・堤防の既習を基に予想することが出来ていたら◎)
⇒ 共通点(グルーピング)・疑問点をノートにピックアップ
・交流(防災と減災の2つに分けて板書)
※工夫の目的と一緒に話させると防災か減災かがハッキリする。
堤防を作る/高くする 家の高さを高くする
川の流れを変えて輪中じゃなくする 排水をよくしたんじゃないかな
・検証
川の流れを整理 大型排水機場(農作業の被害を小さくする)
(輪中80→30) 水屋(備蓄倉庫兼避難場所)
堤防 水防演習
水防倉庫
●左と右と分けて書いたが、どういう違いがあると思う?
左は「川の氾濫が起きないように」→防災
右は「氾濫しても大丈夫なように」→減災
・このように水害を防ぐための工夫(防災面、減災面)をまとめて治水という。
・まとめ:「防災」「減災」でまとめる
・次時へつなげる
●これで水害は起こらなくなったと言っていいのかな?
いや、それでも金沢市(50年に2回)よりも10倍近く発生している…
●それでもなんで海津市に人は住んでいるんだろうね?
何かいいことががあるはずだ!
4.
・復習
いろいろな治水のための工夫をしていた。
・これで水害は起こらなくなったと言っていいのかな?
いや、それでも金沢市(50年に2回)よりも10倍近く発生している…
●金沢の10倍近くの水害が起こる街にみんなは住みたい?
⇒いや~・・・ちょっと・・・
・実際は…3万人以上の人が住んでる!(野々市市よりちょっと少ないぐらい)
<なぜ3万人もの人たちが水害の危険がある海津市に住んでいるのだろう?>
・予想
・交流
⇒この段階で「何かいいことがあるはずだ」という方向性に持っていく
⇒どんな良いことがあるのか、調べてみよう!と調べ活動にもっていく
・検証
農作業がさかんに
観光地化(レジャー)など、豊富にある水をうまく利用している
・このように豊富な水をうまく利用することを利水という
・まとめ
●単元のふり返り「2時間目に自分で書いたまとめを読み返してみて、学習を終えた今、感じることは?」
ちょっとでも低地の暮らしについて、ちょっとでも前向きなコメントが書かれていたら嬉しいな。
5.≪海津市の人々はどのように工夫しながら生活しているんだろう?≫(まとめ)
・ムーブノートに自分なりの結論を書く(10分)
・広場に提出させて、交流する。
納得できた結論には「いいね!」ボタンを押させる
※このときに広場の「氏名を非表示にする」設定にしておくと、平等に評価できると思います。
6.[+α(防災教育)]
・これは何の写真だと思う?
→浅野川が氾濫したときのものだと紹介。(金沢も水害と無縁ではない)
<浅野川が氾濫したら、自分たちの小学校の周りはどうなるのかな?>
・予想→交流(ダメ・大丈夫に分けて板書)
海近いから危険な気が…
・「ハザードマップ」というものがあるということを紹介
このときに見方も簡単に教える→[ハザードマップ見方]
・検証[ 校区ハザードマップ(カラーコピー)](下のリンク「地区別水害ハザードマップ」からダウンロード可能)を提示。
(半分程度が色付いているから…大丈夫とは言えないね…)
●学校はどう?(班ごとに配布して、学校の色を確認) ⇒ 学校はかろうじて「セーフ」
●自分たちの家はどうだろう?
→ 自宅の位置をプロットさせる。(大体の位置で大丈夫!)
→ 「セーフ」「膝程度(0~0.5m)」「1階×(0.5~3m)」「2階×(3m~5m)」「3階以上(5m~)」
の4グループに分けて黒板にネームを貼らせる。
想像していたよりもずっと危険!
●自分たちの校区は水害に対する対策はしているのだろうか?
→誰か詳しい人に聞いてみよう!!
7.[+α(防災教育)]
<自分たちの校区にはどんな対策がされているのかな?>
・ゲストティーチャー(内水整備課)の人の話を聴く
たくさん準備されているんだな…
いや、安全ではない。だから自分たちで備えておくことが大切だな。
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