空き時間などに校舎内をウロウロしていると、
いろんな先生の“書写”の時間を見たり、評価を見たりしているのですが、
教科「書写」として評価している先生って少ないな~って感じたりしています。
というのも、
一般的に字がキレイな子は良い評価を得ていて、
字が雑な子はそれなり…というようになっているからなんです。
もっと具体的に言うと、
「その時間に意識すべきポイントをしっかり意識して書いているか」ではなくて、
「もともと持っている能力(字のきれいさ)」で評価している先生が多いな~なんて思っていたりするんです。
もちろん、書写は実技教科の側面もあるので、体育のように純粋に「能力」で評価することもあってもいいと思います。
でも、それだけだと、“字が雑な子”はどう頑張っても浮かばれませんよね。
あくまでも「書道教室」ではなく、「学校の書写」なんです。
分かりやすく言うと、体育でサッカーなどもしますが、それはあくまでも「体育のサッカー」であり、「大会で勝つことを目的としたクラブチームでやるサッカー」ではないんですよね。
「学校の書写」で大切なのは、
「文字を書くときにどんなことを気を付ければ良いのか」ということを知ること(意識して書くこと)だと思っているんです。
なので、私は子供でもわかる、単純明快な採点基準を持っていて、
練習の段階で、
「〇〇ができていたら「B」(ここがその単元の一番の指導事項)。
それができていなかったら、どれだけきれいでも「C」。
「B」の基準をクリアしている人の中で、更に●●ができていたら「A」。
と評価をするよ」
と、以下のようなパワポを使いながら子どもたちと評価基準を共有しています。
だからこそ、提出された清書には私が「A」や「B」、「C」とだけ赤で書いて掲示をしているのですが、みんな納得してくれます。
しかも、その評価のアルファベットを見ただけで、
何ができていて、何ができていなかったのかということのフィードバックもできているんです。
更に言うなら、自分自身の清書を提出しに持ってくる時に「う~ん。俺はBだな。」など、自己採点してくれるときもあります。(笑)
さらに、その基準を共有して、評価もその通りにすることで、
字が上手だろうと、下手だろうと、守るべきポイントを意識して書ければ誰でもAを取れるシステムなので、
全員が同じ土俵でスタートできるので、みんなの練習時のモチベーションが上がります!
このような指導法をすることで、
字形が整っていて、元々字がきれいに見える子も、ポイントをしっかり押さえられるようになるので、更にきれいな字が書けるようになりました。
そして、なかなか字に自信がない子も、ポイントを理解できるようになったので、少しずつ単元を重ねるごとに整った字になっていきました。
書写に限らず、よく授業は「指導と評価は一体だ!」なんて言葉をよく聞きますが、
その大切さが、このような書写をやっていると、子どもたちの姿勢から感じることができました。
みなさんも書写をやるときに、考えてみてください!
現在の学習指導要領では、字形もありますが、『運筆』の指導を重視する内容になっており、『このように筆を運んだら、正しい形になる』というところに、児童が課題解決的、対話的な学びで到達できるような授業展開が望まれます。
基準を、教師が一方的に与えるのではなく、試し書きをして、自己批正して、解決方法を考えて練習し、まとめ書き(清書、作品作りではなく)をする一連の流れの中で、
評価の三本柱がきちんと見取られるようになるとよいな、と感じます。
『成』という文字の画の出方は、筆順を正しく書くことの指導ですので、
子供たちがそこに気付くことも評価してあげたいところですね☺️