1.
●これは何の写真だと思う?
国会
・国会は何をしているところだと思う?
法律を立てる
予算を立てる
自衛隊派遣 など
※『歴史』や『1.震災復興の願いを実現する政治』の既習から、子ども達の頭の中では「国」=「国会」となっているため、「国」の仕事が色々出てくると思います。
・「国会の仕事は色々あるが、メインは法律を立てることだ」と伝える。(立法機関とも呼ばれているよ)
※予算に関しては、国会は内閣の作成した予算案を審議し、議決する仕事をしている。ただし、予算案を立てたり請求したりする内閣の仕事は次の時間の学習なので、ここでは深入りをしない。ここでは、「実は国会が予算を立てているわけではないんだ」という程度で逃げて下さい。
※国会の細かい働きに関しては、次時の内閣との比較のところで学習できるので、今回は立法だけに焦点を当てて大丈夫です。
・[選挙の投票率]を提示
・このグラフからわかることは?
選挙の投票率が低下していっている。
◎最近、「選挙の投票率が低い」ことが問題視されています。
<どうして選挙の投票率が低いことが問題なの?>
・予想([年代別投票率推移]を配布し、それをもとに考える)
国会議員はみんなの代表だから、みんながしないと! などの感情論が多く出てくるかと思います。
・検証→[新聞記事を読んで]を配布(下の罫線にはまだ何も書かないように指示)、
[選挙 投票率低下 新聞記事]を板書
国民の代表者として選ばれた国会議員が国を動かしている。投票率が低いと、一部の人にとって都合の良い国会運営をされかねないという問題があるから。
(投票しない場合、その人たちに実害が生まれるかもしれないのに、それを知らずに投票しない人が多いのが問題)
・この新聞記事を読んで感じたことを下の罫線に書こう!
2.
・[閣議に集まった首相と国務大臣]を提示
●これは何の写真だと思う?
内閣
<内閣ではどんなことをしているのかな?>
・予想
国会が予算を立てるわけじゃないんだったら、この内閣が予算を立てているんじゃないかな。
※これしか出てこなかった場合、「予算は基本的には年度当初立てたら終わり。それ以外の時期はずっと暇人集団?」と突っ込んであげると良いかもしれません。
・調べる
・法律の執行
・外国と交渉したり条約を結んだりする
・予算案を作成し、国会に提出
・政令(内閣が作る法律みたいなもの)の制定
・国家公務員・裁判官の任命・最高裁判所長官の指名
・天皇の国事行為に対する助言と承認
⇒つまり「政」治を「行」う機関(「行政機関」とも言われているよ)
●内閣と国会ではどちらの立場が上なの?([考察用資料:内閣と国会ではどちらの立場が上なの?]を配布)
・討論する
内閣→国会・・・国会の召集をかける、衆議院の解散をさせる
国会→内閣・・・内閣総理大臣を指名、内閣不信任
⇒どちらが上でもなく、どちらも持ちつ持たれつの関係
3.
●これは何の写真だと思う?
裁判
・犯人はどこに居るかわかる?
この女の人だ!
・裁判所についてのクイズ。これは実際にあった事件。どういう判決になった?
[ワークシート](解答)
・この問7の本当は無罪となるべきだった。しかし、この間違った判決は実際に起こってしまった。
↓
●事件の概要を紹介
事件の概要
一九六六年六月三〇日の午前二時少し前。味噌製造会社の自宅兼事務所で起きた。殺されたのは、専務(41)の他、妻(38)、次女(17)、長男(14)の四人。4人は複数回ナイフで刺された後、油をかけられ、火を付けて殺害された。
死刑判決が出た袴田さん。再審請求してから48年後に再審が開始された。その間はいつ死刑執行されるのか、いつまでこの生活が続くのか、不安と恐怖に押しつぶされそうになりながら、刑務所の独居拘禁(1人ぼっちの部屋)で過ごしていた。
●もし自分がこの父親だったら、この裁判に納得できますか
できない
<裁判の結果に納得できないとき、どうすれば良いのか>
・予想
※「もう一度裁判を起こせば良い!」「裁判をやり直せばいい」という意見に収束するかと思います。そのときに、「それならいつまでたっても決着が付かない」と突っ込むとその三審制を知った時に「なるほど!」となりやすいかと思います。
・検証
・何のために「三審制」があるの?
裁判の間違いを防ぎ、人権を守るため。
●三審制で無実の国民の人権は本当に守られるのだろうか?
・それでも間違える可能性がある。
・今の三審制の問題点は何だろう?
3回で終わってしまうという点。
(●じゃあ、3回までという縛りをなくせばいいのかな?)
ただ、この3回という縛りをなくすと、永遠に決着つかなくなる。
難しい問題だな…
・三回裁判した後も、どうしても納得できない場合は、「再審請求」というものをすることができることを紹介。ただし、これができるのは、「無罪を証明する決定的な証拠があること」が条件だからなかなか難しいのが現実ということを伝える。
・[38年後]を提示しながら、このときは棄却された。
・そして、[48年後]を提示して、やっと再審請求が通った。30歳で死刑宣告されて、再審が決まったのが78歳。でも、独房で死刑の恐怖を感じながら過ごした48年間で精神状態が崩れていて、普通の生活はできていない。(まだ裁判も開始されていない 2020/1/19現在)
●今の話を聞いて、どう感じましたか?
今の裁判の制度にも問題があると感じた。
4.
●[最高裁大法廷]を提示。前時の写真との違いは?
犯人が居ない
裁判官が多すぎる
●何をしているのだと思う?
わからない。裁判ではなさそうだ。
↓
<裁判所は裁判以外にはどんな働きがあるのかな?>
・予想
・調べる
・法律に基づいて問題を解決して、国民の権利を守る仕事
●国会や内閣とはどのような関係があるのだろう?
国会で作られた法律が憲法に違反していないかをチェック
内閣で行われる行政が憲法に違反していないかをチェック
●裁判所は国会や内閣よりも立場が上と言って良いのだろうか?
国会からは裁判官を裁かれることがある
内閣からは最高裁判所の長官を指名される
⇒そうとは言えない。3つの立場は全て持ちつ持たれつの関係だ。→三権分立
・[三権分立の関係を示す図]を完成させよう!
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