JICAという国際協力に特化した団体の「教師海外研修」というプログラムに参加できることになり、
8月11日~21日の11日間、サモアという大洋州の国へ行ってきました。
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サモアでは、
・サモアのゴミ処理場の見学
・気象庁(気象観測基地)の見学
・現地のプライマリースクール(年長~中1)、カレッジ(中2~高3)への訪問
・サモア最大の橋の建設現場の見学
・ホームステイ
などをしてきました。
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現地に行って、現地の人と関わっていく中で、
11日間という短い時間でしたが、
自分の中で自分が変わっていくことが自覚できるぐらい、
いろいろな衝撃があったり、考えさせられたりする11日間だったように感じます。








その中でも、自分が一番変わったと感じるのは「価値観」です。









そのきっかけは「サモア人の就業率の知識」と「ホームステイの経験」です。
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サモアの人たちの就業率:10%、失業率:10%
※日本の場合は就業率:67.42%、失業率:2.43%







労働力人口の20%しか、仕事をしようという気持ちがないんです。
80%の人が無職で、
家でゴロゴロするというのが「Samoan Life-style」なんです。





衝撃じゃないですか!?











正直、私がそのデータを聞いたときは
「おいおいサモア人、ちゃんと仕事をしなさい」と思いました。














実際、ホームステイに行ったとき、
私のホームステイ先は9人家族で、
そのうちの労働力人口(大人)は5人だったのですが、
就労しているのは1人だけでした。


それ以外の4人は本当に家でゴロゴロ。
超スローライフを過ごしていました。
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でも、そのホームステイを通して、
「なぜサモア人は働かないのか」ということが理解できて、

最後はむしろ、
「働く目的」をよく考えんとアカンな…とまで考えるようになりました。









「なぜサモア人は働かないのか。」①


そのルーツの1つは日本との環境の違いにあります。

サモアは、家の周りを歩けば、本当にたくさんの食べ物があるんですね。
ココナッツやバナナ、タロイモやウルと呼ばれる主食の穀物、ココサモア(カカオ)などの植物だけでなく、
豚や鶏、牛をも放牧していて、
食べ物は家の周りを歩けばタダで手に入るんです。
つまり、「生きるためにはお金が要らない」んです。


さらに、その食料も特別にプランテーションとしてしっかり手入れしているのではなく、
自然に自生しているんです。
イメージしやすく言うと、雑草のように食べ物がそこらじゅうで生えているんです。
だからこそ、農作業をする必要もないんです。


生きるためにはお金が要らない。
そして、あえて労働をする必要もない。
これが「サモア人が働かない」理由の1つです。







「なぜサモア人は働かないのか。」②


サモアにはこれといった産業がありません。

だから、もともとサモア国内には仕事がほとんどないんです。

だからこそ、お金を稼ぐためにサモア人はNZやオーストラリアなど、海外に出稼ぎに行きます。

サモアの物価は日本の5分の1程度だったので、月に4万円ほどサモアに仕送りを送れば、

サモア国内では4万円×5倍の20万円程度の価値になるんですよね。
10万円なんて送ろうもんなら…50万円相当ですよ。
実際、私は現地で10日も生活するために、
まずは4万円程度は必要だろうと考え、4万円を換金したのですが、
蓋を開けてみたら、飲食店で夜、散々食べて散々アルコールも注文して…
日本やったら、6~7000円くらいかな?と思うような感じでも、
実際の請求は1500円行かないくらい。


食費が一切かからない上、
周囲の先進国からの送金がそこそこ良い額で来る。
そりゃ、働く気はなくなりますよね。


このように、この物価の安さと、
近くに出稼ぎに行ける先進国があるということ。
これが「サモア人が働かない理由」の2つ目です。








「なぜサモア人は働かないのか。」③


これがもしかしたら一番大きな理由かもしれません。



私がホームステイした家は、オープンファレと呼ばれる、外壁のない家だったのですが、

家の中を見回してみると、至る所に家族の写真が貼られています。

その理由を聞いてみると、
「家族を忘れないようにするため。そして、会いたいと思えるようにするため」とのことでした。



サモアは医療が発達していません。

実際、ホストファミリーも、去年の夏、40代の父親を原因不明の病で亡くしています。
おそらく、日本の医療を受けていれば、治っていた病気やったんちゃうかな?って思います。



そして、働ける年齢になった時、家族のために”労働力”として
NZやオーストラリアに出稼ぎに行くことになる可能性があります。




平均寿命的にも、労働環境的にも恵まれていないサモア。
家族と過ごす時間が何よりも大切と感じているサモア人が多いんですね。





実際、サモアの大人は子どもたちのことを想い、子どもたちは大人たちを想い…
すごく温かい人たちやなってことをホームステイの1泊2日で感じることができました。






だからこそ、仕事をして家族と過ごす時間を削るよりも、
少々の贅沢を我慢して、家族との時間を大切にしているんですよね。








結論…


このホームステイを経験して…

「人は何のために仕事をしているのか」ということをすごく考えさせられました。

サモアに行くまで、私は「人の役に立つため」とか、「生活するためのお金を得るため」かなと思っていました。

でも、違ったということに気が付きました。


あくまで仕事は「自分が”幸せ”になるため」に行われるべきことなんですよね。

だからこそ、「自分の”幸せ”」はどこにあるのか。
これ、本当によく考えなアカンなって思いました。



ただ、日本はサモアのように食料が自生しているわけではなく、
何をするにもお金が必要な貨幣経済なので、
サモアのような選択肢はないということにも改めて気づかされました。



結論、ほんま、いろいろ考えさせられる経験になりました。
また、ちょいちょいサモアでのことを記事にしていこうかなと思います。
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